単管足場

パイプとクランプがあれば、どんな形にも組める。そのかわり、組む人の腕がそのまま出る足場です。締め付けの箇所が多いぶん、点検も細かくなります。

垂直5m以下 水平5.5m以下 建地の間隔 1.85m以下(けた行) 地上第一の布2m以下 壁つなぎ
単管足場の正面図と、守る間隔。●が壁つなぎの位置です。

単管足場とは

直径48.6mmの鋼管(単管パイプ)を、クランプで締めて組む足場です。決まった寸法の枠がないので、狭い場所、建物の形が入り組んだ場所、設備のまわりなど、ほかの足場が入らない所で力を発揮します。

そのぶん、部材の数も締め付ける箇所も多く、組むのにも点検するのにも手間がかかります。広い面積を早く組みたい現場や、高い建物には向きません。

部材と役割

部材役割
単管パイプ直径48.6mmの鋼管。長さは0.5m刻みでいろいろある。建地・布・腕木・筋かいに使う
直交クランプ2本のパイプを直角に留める
自在クランプ2本のパイプを好きな角度で留める。筋かいなどに使う
単管ジョイントパイプ同士を縦につなぐ
ベース金具建地の下に付け、敷板の上に置く。高さを調整できるジャッキ型もある
足場板作業床。腕木にゴムバンドなどで固定する
壁つなぎ金具足場と建物をつなぐ専用の金具

組立ての手順

  1. 敷板とベース地盤を締め固めて敷板を敷き、ベース金具を釘で止める
  2. 建地を立てるけた行1.85m以下、はり間1.5m以下の間隔で建地を立てる
  3. 布と腕木地上第一の布は高さ2m以下。布と腕木を直交クランプで建地に締める
  4. 筋かい自在クランプで筋かいを入れ、足場のゆがみを止める
  5. 作業床と手すり足場板を腕木に固定し、手すり・中さん・幅木を付ける
  6. 壁つなぎ垂直5m以下、水平5.5m以下の間隔で、建物とつなぐ。高さが上がるのに合わせて取っていく

組立て・解体中の決まり(立入禁止・悪天候での中止・つり綱の使用・幅40cm以上の作業床)と悪天候の目安は、くさび足場のページにまとめています。

設置基準

建地の間隔けた行 1.85m以下、はり間 1.5m以下
地上第一の布高さ 2m以下
高い足場の建地最高部から測って31mを超える部分は、建地を2本組にする
建地の間の積載荷重400kg以下
壁つなぎ垂直 5m以下、水平 5.5m以下
作業床幅40cm以上、すき間3cm以下、建地とのすき間12cm未満
手すり高さ85cm以上+中さん(35〜50cm)、幅木10cm以上

31mを超える部分の2本組は、建地の下端にかかる荷重が最大使用荷重を超えない場合は不要です。単管ブラケットの一側足場は、2024年4月から、幅1m以上とれる場所では使えなくなりました(本足場が原則)。

点検のポイント

点検には2種類あります。

いつ何をする
毎日、作業を始める前手すり・中さん・幅木などが外れていないか、脱落していないか。見つけたらすぐ直す
強風・大雨・大雪・中震以上の地震のあと/組立て・一部解体・変更のあと足場全体を点検し、結果を記録して、工事が終わるまで保存する

どちらの点検も、点検する人をあらかじめ指名しておく決まりです(2023年10月から)。指名は書面のほか、朝礼で口頭で伝える方法でもかまいません。点検したあとは、点検した人の名前も記録に残します。

単管足場で見るところ

  • 建地が単管ジョイントなどで確実につながっているか
  • 布・腕木が専用のクランプで確実に締まっているか。ゆるみがないか
  • 足場板が腕木にゴムバンドなどで固定されているか。建地との間にすき間がないか
  • 手すり85cm以上・中さん35〜50cm・幅木が付いているか。妻面にもあるか
  • ベース金具が敷板に釘止めされているか。沈下やずれがないか
  • 根がらみ・控えがクランプで締まっているか
  • 壁つなぎ・筋かいが外されていないか
  • クランプやジョイントに傷みやさびがないか

解体のときの注意

  • クランプをゆるめた瞬間にパイプが動く:外すパイプは手で持ってからクランプをゆるめる。長いパイプは2人で
  • 上から順に:壁つなぎは、外す高さに合わせて外す
  • 投げ下ろさない:パイプやクランプは、つり綱やつり袋で下ろす。下は立入禁止にする

よくある災害と対策

足場板がずれて落ちる

足場板の固定が甘く、乗った瞬間に板がずれたり、跳ね上がったりする。

対策足場板は2か所以上で支え、ゴムバンドや番線で腕木に固定する。

クランプの締め忘れで足場がゆがむ

1か所の締め忘れが、足場全体のゆがみや、手すりの脱落につながる。

対策組み終わったら、クランプを1つずつ確認する。点検でゆるみを見る。

パイプやクランプが下に落ちる

解体中や盛り替え中に、ゆるめたパイプやクランプが落ちて、下の人に当たる。

対策下を立入禁止にする。メッシュシートや防網を張る。工具や小物は落下防止のひもを付ける。

試験とのつながり

  • 1級建築施工管理技士 一次検定:足場

出典:労働安全衛生規則 第561条の2・第563条・第564条・第570条・第571条、厚生労働省「足場等関係の改正」、厚生労働省「足場からの墜落防止措置が強化されます」、厚生労働省「足場等の種類別点検チェックリスト」。 数値は2026年10月時点で確認しています。