土留めの解体で鉄板が倒れる事故を防ぐには2026年11月の北海道の事故から・倒れる仕組み・外す順番・立入禁止・作業主任者
公開 ・ セコカン君
2026年11月4日、北海道江別市の工事現場で、金属製の土留め板を解体している最中に板が倒れ、70代の男性作業員が下敷きになって亡くなりました。土留めは、組むときより外すときに事故が起きやすい作業です。同じような事故を防ぐために、現場で確かめたいことをまとめました。
01報道でわかっていること
| 項目 | 報道の内容 |
|---|---|
| 日時 | 2026年11月4日の午前 |
| 場所 | 北海道江別市の工事現場 |
| 作業 | 金属製の土留め板の解体。複数人で作業していた |
| 起きたこと | 土留め板が倒れ、70代の男性作業員が下敷きになった。病院に運ばれたが、亡くなった |
| 調べ | 警察が、作業の内容や事故の原因を調べている |
倒れた板の大きさや、どういう手順で外していたかは、まだ報道されていません。このページでは原因を決めつけず、土留めの解体で板が倒れる事故に共通する危険と対策を書いています。原因が発表されたら、書き足します。
02土留めの板が倒れる仕組み
土留めの板は、背面の土に押されながら、切梁・腹起し・杭などで支えられて立っています。解体では、その支えを1つずつ外していきます。
- 支えを外した瞬間に、板が自分の重さで傾く
- 背面の土の圧力が残っていて、板が掘った側へ押し出される
- 吊る前に固定を外して、板がどちらに倒れるか分からなくなる
- 板を引き抜く途中で、吊り荷が振れたり、引っかかって急に外れたりする
金属の板は1枚でも数百kgになることが多く、人の力では止められません。倒れる向きに人がいれば、それだけで命に関わります。
03防ぐために確かめたいこと
- 外す順番を決める作業の前に、どの支えを、どの順番で外すかを作業手順書に書き、全員で確かめる。組んだときの逆の順番が基本
- 先に吊ってから外す板にワイヤーを掛けて、クレーンなどで重さを受けてから固定を外す。吊らずに固定を外さない
- 倒れる範囲に入らない板の高さぶんの範囲は、外している間は人を入れない。外す人も、板の正面ではなく横に立つ
- 合図を1人に決めるオペレーターへの合図は1人が出す。外す人と吊る人の声をそろえる
- 土の圧力を見る背面の埋め戻しや水の状態を見て、板が押し出されそうなら、支えを残したまま進め方を考え直す
04関係する決まり
| 項目 | 決まり(労働安全衛生規則・クレーン等安全規則) |
|---|---|
| 作業主任者 | 切梁・腹起しの取付けと取外しの作業には、地山の掘削及び土止め支保工作業主任者を選んで、作業を直接指揮させる |
| 立入禁止 | 切梁・腹起しの取付けと取外しの作業では、関係する労働者以外を立ち入らせない |
| 上げ下ろし | 材料や器具を上げ下ろしするときは、つり綱・つり袋などを使う |
| 点検 | 土止め支保工は、7日を超えない期間ごと、中震以上の地震や大雨のあとに点検する |
| 玉掛け | つり上げ荷重1t以上のクレーンで吊るときは、玉掛けの技能講習を修了した人が掛ける |
土留め(山留め)のしくみと基準は山留め(土止め支保工)、玉掛けは玉掛けの災害と対策にまとめています。
05高年齢の作業員の安全
建設現場では、60代・70代の職人も多く働いています。国の統計では、休業4日以上の労働災害のうち、60歳以上が約3割を占めています。
2026年4月から、改正労働安全衛生法で、高年齢の労働者の特性に配慮して、作業環境の改善や作業の管理をすることが、会社の努力義務になりました。
重い物を扱う作業や、とっさに逃げる必要がある作業では、配置や役割を考えることも対策の1つです。くわしくは高年齢の作業員の安全にまとめています。
06よくある質問
土留めの解体にも作業主任者は要る?
切梁や腹起しを取り外す作業は、作業主任者を選ぶ作業に入ります。簡易な土留めでも、支えを外す作業があるなら、誰が指揮するかを決めて、手順を全員で確かめます。
板を吊ったまま、固定を外しても大丈夫?
吊って重さを受けてから外すのが基本です。ただ、吊りワイヤーを張りすぎた状態で固定を外すと、板が急に動くことがあります。合図をしながら、少しずつ荷重を移します。
原因はわかった?
このページを書いた時点(2026年11月7日)では、原因は発表されていません。警察が調べています。新しい情報が出たら書き足します。
まとめ
- 2026年11月4日、北海道江別市で、金属製の土留め板の解体中に板が倒れ、70代の作業員が亡くなった
- 支えを外す順番を決め、板を吊って重さを受けてから固定を外す
- 倒れる範囲に人を入れない。切梁・腹起しの取外しには作業主任者が要る
07試験とのつながり
出典:北海道文化放送(UHB)「鉄板の下敷きとなり70代男性作業員が死亡」2026年11月4日、契約ウォッチ「高年齢者の労働災害防止のための指針」、労働安全衛生規則 第372条〜第375条、クレーン等安全規則 第221条。 数値は2026年10月時点で確認しています。