施工と安全 / 仕上げ工事
ALCパネルと押出成形セメント板の施工ロッキング構法・目地・孔あけと溝掘り・かかり代・保管
公開 ・ セコカン君
ALCパネルは、軽くて断熱性のある外壁や床の材料です。地震のときにパネルが動いて壊れないようにする取付け方、目地、孔あけの制限、保管の基準をまとめました。押出成形セメント板(ECP)の基準も載せています。
01ALCパネルとは
ALCは、軽量気泡コンクリートのパネルです。中に細かい気泡があるので軽く、断熱性と耐火性があります。鉄骨造の建物の外壁、屋根、床によく使われます。
02縦壁ロッキング構法
今の外壁の主流の取付け方です。地震で建物の層がずれるとき、パネル1枚1枚が少しずつ回転(ロッキング)して動きに追従するので、パネルが割れにくくなります。パネルの重さは、自重受け金物で支えます。
03ALCパネルの基準
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 出隅・入隅、ほかの部材との取合い | 伸縮目地を 10〜20mm 設ける |
| 目地のシーリング材 | 低モジュラス(柔らかく伸びるもの)を使う |
| 耐火が必要な伸縮目地 | 耐火目地材を入れる |
| 配管の孔 | パネル1枚に1か所。直径はパネル幅の 1/6以下 |
| 溝掘り | パネル1枚に1本。幅 30mm以下、深さ 10mm以下 |
| パネルの中の鉄筋 | 主筋は切らない。切って出た鉄筋は防錆処理をする |
| 屋根・床パネルのかかり代 | 支点間の距離の1/75以上、かつ40mm以上 |
| 欠けの補修 | 補修用モルタルで直す |
04保管
- 平積みにするときは、1段の高さを1.0m以下、全体の高さを2.0m以下にする
- 台木を敷いて、地面から離して置く
- 雨に当てない。シートで覆う
05押出成形セメント板(ECP)の基準
セメントを押し出して作る、中が空洞のパネルです。ALCより表面がかたく、模様を付けた外壁にも使われます。
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 横張り | 3枚以下ごとに自重受け金物で支える。層のずれにはスライドして追従 |
| 縦張り | 各段ごとに自重受け金物で支える。層のずれにはロッキングで追従 |
| Zクリップのかかり代 | 30mm以上 |
| 取付けボルト | ルーズホール(長穴)の中心に留める |
| 目地幅 | 長辺 8mm以上、短辺 15mm以上 |
06よくある質問
ALCとは何の略?
Autoclaved Lightweight aerated Concrete の略です。高温・高圧の蒸気で固めた、軽量の気泡コンクリートのことです。
ALCの外壁に、塗装はいる?
いります。ALCは気泡が多く、水を吸いやすいので、そのままでは雨水がしみ込みます。表面を塗装などで仕上げて防水し、目地のシーリングも定期的に打ち替えます。
ALCとECPは、どう使い分ける?
ALCは軽くて断熱性が高く、価格も抑えやすいので、工場や事務所、住宅の外壁に広く使われます。ECPは表面がかたく、模様や色を生かした外観にしやすいので、ビルの外壁などに使われます。
まとめ
- 縦壁ロッキング構法は、パネルが回転して層のずれに追従する
- ALCの孔は1枚に1か所で直径はパネル幅の1/6以下、溝は幅30mm以下・深さ10mm以下
- 平積みは1段1.0m以下、全体2.0m以下
07試験とのつながり
- 1級建築施工管理技士 一次検定:ALC・押出成形セメント板
出典:公共建築工事標準仕様書(建築工事編)8章。 数値は2026年10月時点で確認しています。