施工と安全 / 屋根工事

スレート屋根の施工適用勾配・野地板・下葺き・留め付け・役物

公開 ・ セコカン君

スレート屋根と棟の下地(貫板)屋根工事
スレート屋根と棟の下地(貫板)(写真:写真AC)

化粧スレート(カラーベスト、コロニアルなど)は、住宅でいちばん多い屋根材のひとつです。下地から下葺き、本体の留め付け、棟やけらばの納めまで、施工の基準を順にまとめました。

01化粧スレートとは

セメントと繊維を薄い板状に固めた屋根材です。軽くて地震に強く、色や形の種類も多いため、戸建て住宅やアパートで広く使われています。1枚ずつ釘で野地板に留めて、下から上へ重ねて葺いていきます。

ここでは、代表的な製品であるケイミューのカラーベスト/グランネクストの仕様を例に説明します。製品ごとに細かい基準が違うので、実際の施工はその製品の設計施工マニュアルに従います。

02施工の流れ

  1. 野地板を張る垂木の上に合板などの野地板を張る。長手方向を垂木と直交させる
  2. 下葺きを敷く軒先から棟へ、ルーフィングを重ねながら敷く
  3. 軒先・けらばの水切を付ける軒先水切、けらば水切を取り付ける
  4. 本体を葺く軒先から1段ずつ、所定の釘で留めながら葺き上げる
  5. 棟・隅棟を納める棟の下地(貫板など)を付け、棟包みをかぶせて留める

03適用勾配と野地板

項目基準(カラーベスト/グランネクストの例)
適用勾配3/10〜(製品・地域で上限や流れ長さの制限あり)
野地板(木造)厚さ12mm以上。垂木の間隔は500mm以下など、合板の種類ごとに条件がある
野地板(鉄骨造)合板・OSBは厚さ15mm以上、垂木の間隔は606mm以下
使えない下地断熱材を野地板の上に置く下地、接着の程度が2類の合板、コンクリートやALCへの直接の留め付け
段差・不陸段差3mm以下。不陸は垂木の間隔あたり3mm以下

04下葺き(ルーフィング)

雨漏りを防ぐ本当の防水層は、屋根材の下の下葺きです。新築住宅の瑕疵保険の設計施工基準では、次のように決められています。

項目基準
材料アスファルトルーフィング940(JIS A 6005)か、同等以上の防水性能があるもの
敷く向き長手方向を横向き(軒と平行)にする
重ね上下(流れ方向)100mm以上、左右200mm以上
谷・棟谷底や棟の頂部から、両側へそれぞれ250mm以上重ねる
壁との取り合い壁に沿って250mm以上、かつ雨押えの上端から50mm以上立ち上げる

積雪の多い地域では、軒先のおよそ1mに粘着層付きの改質アスファルトルーフィングを使うなど、すがもれ(雪どけ水の逆流)への対策が製品の仕様で決められています。

05本体の留め付けで気をつけること

  • 決められた釘・ビスを、決められた本数と位置で打つ
  • 打ち込みすぎ、釘頭の浮き、打ち込み不足は、割れや踏み割れの原因になる
  • 野地板のすき間をよけて留める
  • 笠木・棟包み・小幅物などに打つときは、屋根材だけに先孔をあける(野地板にはあけない)
  • 屋根材どうしは、少しすき間をあけて葺く

06役物の納め

部位ポイント
隅棟棟包み仕様では、必ず隅切りをする
けらば・壁際(流れ方向)肩落としをする
水切の捨板捨板の部分には釘を打たない
捨水切のハゼ折り高さは2〜3mm。高いと踏み割れを助長する
棟包み・笠木先孔をあけてから留め付ける

07施工中の安全

  • 屋根勾配が6/10以上、または滑りやすい下地なら、屋根足場を設ける
  • 濡れた下葺きや屋根材の上は歩かない
  • けらば・谷・隅棟の小幅物の上、屋根材の左右の重ね部分は踏まない
  • 雪止め金具を足場や材料置き場にしない

屋根の上の墜落防止は、屋根上作業の墜落防止のページにまとめています。

まとめ

  • 化粧スレートは、野地板に1枚ずつ釘で留めて、下から上へ重ねて葺く
  • 防水の本体は下葺き。重ねは上下100mm以上、左右200mm以上、谷・棟は両側へ250mm以上
  • 釘の打ち込みすぎ・浮き・不足は、割れや踏み割れの原因になる
  • 勾配6/10以上や滑りやすい下地では屋根足場を設ける。濡れた屋根は歩かない

出典:住宅瑕疵担保責任保険 設計施工基準、ケイミュー「グランネクスト/カラーベスト 仕様・施工条件」。 数値は2026年10月時点で確認しています。

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