施工と安全 / 防水工事

防水工事の安全溶融釜の火災・有機溶剤の中毒・屋上の墜落・やけど

公開 ・ セコカン君

防水工事では、アスファルトを溶かす火、プライマーや接着剤の溶剤、屋上の端を扱います。実際に起きた火災と中毒の事例をもとに、現場で気をつけることをまとめました。

01アスファルト溶融釜の火災

東京消防庁の火災事例では、工事中の建物の屋上で、アスファルトを溶かしている最中に過熱して出火しました。煙や臭いが近所に流れないように防炎シートで囲い、送風機を置いていましたが、送風機が燃えているのに気づいて炎を発見しています。作業員1人が煙を吸って負傷しました。

  • アスファルトは、製造所の指定する温度を超えて加熱しない。温度計で確かめる
  • 溶融釜のそばを離れない
  • 溶融釜の周りに、可燃物・塗料・溶剤を置かない
  • 消火器を溶融釜の近くに置く
  • 火を使う前に、周りの状況と危険物の有無を全員で確かめる

02有機溶剤の中毒

盛岡労働基準監督署の発表では、ビルの地下室での防水工事中、前日に塗った有機溶剤を含む塗料から出た蒸気を吸って、事業主と作業員3人が救急搬送されました。通風が不十分な場所で送気マスクを使わせなかったとして、書類送検されています。

場面必要な措置
発散源の対策有機溶剤の業務を行う場所には、密閉設備、局所排気装置、プッシュプル型換気装置のどれかを設ける
地下室・タンクの中など通風が不十分な場所で短時間の作業なら、これらの設備の代わりに送気マスクを備え、作業者に使わせる
請負人がいるとき送気マスクが必要なことを、請負人にも知らせる
  • 使う材料の安全データシート(SDS)で、有機溶剤が入っているか確かめる
  • 前日に塗った場所でも、溶剤の蒸気は残っている
  • 気分が悪くなったら、すぐに外に出る。一人で作業しない

03屋上の端からの墜落

  • 屋上の端やパラペットが低い所では、手すりか親綱を設ける。防水のために手すりを外すときは、代わりにフルハーネスを使う
  • ルーフィングのロールを後ろ向きに引きながら張るときは、端に近づいていることに気づきにくい。端までの距離に目印を付ける
  • トップライトや開口部は、覆いでふさぐ

04やけどと熱中症

  • 溶けたアスファルトやトーチの炎で、やけどをしないよう、長袖・手袋・保護めがねを使う
  • 夏の屋上は、照り返しで高温になる。WBGTを測り、休憩と水分・塩分をとる

熱中症の対策は、熱中症対策のページにまとめています。

まとめ

  • アスファルトは指定の温度を超えて加熱しない。溶融釜のそばに消火器を置く
  • 地下室など通風が悪い所での有機溶剤の作業は、送気マスクを使わせる
  • 屋上の端で手すりを外すときは、フルハーネスを使う
  • 溶けたアスファルトとトーチの炎から、長袖・手袋・保護めがねで身を守る

05試験とのつながり

出典:東京消防庁「火災の実態」工事中の火災事例、盛岡労働基準監督署「送気マスクを使用させず有機溶剤業務を行わせた疑い」、有機溶剤中毒予防規則 第5条・第9条・第32条、労働安全衛生規則 第519条。 数値は2026年10月時点で確認しています。

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