施工と安全 / 鉄骨工事
デッキプレートの敷込み種類・梁への固定・かかり代・崩落を防ぐ
公開 ・ セコカン君
鉄骨の梁の上に敷き、コンクリートを打つ床の型枠や床そのものになるのがデッキプレートです。打設中にデッキごと床が抜ける事故も起きています。種類と固定のしかた、崩落を防ぐポイントをまとめました。
01デッキプレートの種類
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| デッキ合成スラブ | デッキとコンクリートが一体になって床として働く。梁とは焼抜き栓溶接か頭付きスタッドでつなぐ |
| デッキ型枠スラブ(フラットデッキ) | コンクリートを打つための型枠として使う。床の強さはコンクリートと鉄筋でもつ。梁とは頭付きスタッドを使い、アークスポット溶接か隅肉溶接で留める |
02梁への固定(焼抜き栓溶接)
デッキ合成スラブで頭付きスタッドを使わない場合は、焼抜き栓溶接でデッキと梁をつなぎます。デッキの上から溶接棒で焼き抜いて、下の梁と溶かし合わせる方法です。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 溶接する人 | JIS Z 3801 または JIS Z 3841 の基本級(下向)以上の資格者 |
| 溶接棒 | 低水素系の被覆アーク溶接棒 φ4mm |
| 溶接電流 | 190〜230A(標準 210A) |
| 梁とのすき間 | 2mm以下 |
| 長手方向の間隔 | 600mm以下 |
| 溶接時間 | 8〜10秒 |
03フラットデッキの崩落を防ぐ
国の研究所が、フラットデッキが打設中などに崩れた災害を調べています。原因として挙げられているのは、次のような点です。
| 原因 | 内容 |
|---|---|
| かかり代が足りない | 梁へのかかり代は 50mm が標準。足りないと、端部の強さが大きく落ちる |
| 端部の固定が弱い | 型枠に釘で留めただけの端部は弱い。鉄骨の梁にはスポット溶接で留めたほうが強い |
| 荷が1か所に集まる | スパンの中央に鉄筋やコンクリートを集めると、設計の約2倍の曲げがかかることがある |
| 板が薄い | 厚さ0.8mmのデッキがいちばん危ない。見た目では厚さの違いが分かりにくい |
- 敷き込む前に、かかり代と寸法の間違いがないか確かめる
- 納品されたデッキの板厚を確かめる
- 鉄筋やコンクリートをスパンの中央に山積みしない。人も1か所に集まらない
- 狭いスラブでは、作業荷重を最低値より大きく見込んで計画する
04敷込みの安全
- デッキを敷く範囲の下は、立入禁止にする
- 敷き込む人は、親綱にフルハーネスのフックを掛ける
- 敷いたデッキはすぐに梁へ固定する。固定していないデッキは風であおられる
- 梁の上に仮置きするデッキは結束しておく
- デッキの切り欠きや開口部は、覆いや囲いでふさぐ
打設中に、フラットデッキが抜け落ちる
かかり代が足りない、端部を釘で留めただけ、コンクリートを中央に寄せて打った。上の作業員が落ち、下の階の作業員も巻き込まれる。
対策かかり代を確かめ、端部は鉄骨に溶接で留める。コンクリートは1か所に寄せずに打ち、打設中は下を立入禁止にする。
まとめ
- デッキ合成スラブは床として働き、フラットデッキは型枠として使う
- 焼抜き栓溶接は、梁とのすき間2mm以下、間隔600mm以下
- フラットデッキの梁へのかかり代は50mmが標準。端部は鉄骨に溶接で留める
- 鉄筋やコンクリートをスパンの中央に集めない。打設中は下を立入禁止にする
05試験とのつながり
- 1級建築施工管理技士 一次検定:鉄骨の加工・溶接・コンクリートの運搬・打込み
出典:日本建設業連合会「鉄骨工事Q&A デッキ・スタッド 焼抜き栓溶接」(日本建築学会「鉄骨工事技術指針・工事現場施工編」による)、産業安全研究所「床型枠用鋼製デッキプレート(フラットデッキ)の安全性」。 数値は2026年10月時点で確認しています。