施工と安全 / 鉄骨工事
鉄骨工事組み上がった鉄骨の骨組み(写真:写真AC)
高力ボルトの締付け一次締め・マーキング・本締め・検査
公開 ・ セコカン君
鉄骨工事鉄骨の接合部は、高力ボルトで板どうしを強く締め付け、その摩擦で力を伝えます。締付けの順序、トルク、マーキング、検査の基準をまとめました。
01締付けの手順
- 一次締め決められたトルクで一次締めする。順序は中央から周辺へ
- マーキングボルト・ナット・座金・母材にかけて、一直線にマークを付ける
- 本締めトルシア形はピンテールが破断するまで締める。JIS形はナット回転法かトルクコントロール法で締める
- 検査マークのずれで、ナットの回転量と共回り・軸回りがないかを確かめる
02一次締めのトルク
| ボルトの径 | 一次締めトルク |
|---|---|
| M16 | 約100 N・m |
| M20・M22 | 約150 N・m |
| M24 | 約200 N・m |
03本締めと検査の基準
| 方法 | 基準 |
|---|---|
| トルシア形高力ボルト | ピンテールが破断していること。ナットの回転量が、ボルト群の平均 ±30°以内 |
| ナット回転法 | 一次締めから 120°±30°(M12は60°) |
| トルクコントロール法 | 平均トルクの ±10%以内 |
| 溶融亜鉛めっき高力ボルト | ナット回転法で締める。すべり係数0.40以上 |
04接合部の基準
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 肌すき | 1mmを超えたらフィラープレートを入れる(材質は400N/mm²級でよい) |
| ボルト孔の食違い | 2mm以下ならリーマ掛けで修正 |
| ボルトの中心間距離 | 径の2.5倍以上 |
| 締付け後のねじ山 | ナットの外に1〜6山 |
05覚えておきたいポイント
- 一度使ったボルト、共回りしたボルトは新品に替える
- ナットは表示記号のある側を外側に、座金は面取りした側を表にする
- ボルトの包装は、使う直前に開ける(さびや汚れでトルクが変わる)
- 一次締めのあと、マークを付けてから本締めする
まとめ
- 締付けは一次締め→マーキング→本締め→検査の順。順序はボルト群の中央から周辺へ
- トルシア形はピンテールの破断と、ナットの回転量が平均±30°以内かを見る
- 肌すきが1mmを超えたらフィラープレートを入れる
- 一度使ったボルト、共回りしたボルトは新品に替える
06試験とのつながり
出典:公共建築工事標準仕様書(建築工事編)7章、JASS 6 鉄骨工事、日本建築学会「鉄骨工事技術指針」。 数値は2026年10月時点で確認しています。