施工と安全 / 仕上げ工事
タイル張りの工法と検査密着張り・改良圧着張り・改良積上げ張り・目地・打診検査と引張接着試験
公開 ・ セコカン君
外壁のタイルがはがれて落ちると、下を通る人の命に関わります。張り方ごとの塗り厚や時間の基準、目地を詰めるタイミング、張ったあとの打診検査と引張接着試験をまとめました。
01タイルの張り方(後張り工法)
躯体ができてから、モルタルなどでタイルを張る方法を後張り工法といいます。張り方によって、モルタルを塗る場所と、一度に塗れる広さや時間が変わります。
| 工法 | やり方 | 時間・広さの基準 |
|---|---|---|
| 密着張り | 下地に張付けモルタルを2度塗り(5〜8mm)し、振動工具でタイルを押し込む | 1回に塗るのは 2㎡以内・20分以内 に張れる広さ。上から下へ、1段おきに張る |
| 改良圧着張り | 下地に張付けモルタルを2度塗り(4〜6mm)し、タイルの裏にも塗って張る | 1回に塗るのは 2㎡以内 |
| 改良積上げ張り | タイルの裏全面にモルタルを平らに塗り、下から上へ積み上げる | 1日に張る高さは 1.5m程度 まで |
| マスク張り | ユニットタイルの裏にマスク(型)を当ててモルタルを塗り、下地に張る | 塗ったら 5分以内 に張る |
モルタルを塗ってから時間がたつと、表面が乾いてタイルがくっつかなくなります(オープンタイムの超過)。広く塗りすぎないことが、はがれを防ぐいちばんのポイントです。
02目地
- 目地詰めは、タイルを張ってから24時間以上たってから行う
- 密着張りの目地の深さは、タイルの厚さの1/2以下にする
- 伸縮調整目地は、躯体のひび割れ誘発目地と同じ位置に設ける
伸縮調整目地の位置が躯体の目地とずれると、躯体のひびがタイルに伝わり、割れやはがれの原因になります。
03張ったあとの検査
| 検査 | 基準 |
|---|---|
| 打診検査 | モルタルが固まったあと、テストハンマーで 全面 をたたき、浮きがないか音で確かめる |
| 引張接着試験 | タイルを引っ張って、くっつく強さを測る。0.4N/㎟以上 で合格 |
| 試験の数 | 100㎡以下ごとに1個以上、かつ全体で3個以上 |
| 試験体の作り方 | タイルのまわりの目地を、コンクリートの面まで切る |
04よくある質問
タイルがはがれる一番の原因は?
モルタルを広く塗りすぎて、張るまでに時間がたち、モルタルの表面が乾いてしまうことです。塗る広さと時間の基準を守り、張ったタイルの裏にモルタルが十分回っているか、ときどきはがして確かめます。
外壁タイルの点検は、いつ必要?
建築基準法の定期報告の対象になる建物では、外壁タイルなどを、おおむね10年ごとに全面打診などで調べることになっています。
05タイルの種類(吸水率の区分)
| 区分 | 吸水率 | 特徴 |
|---|---|---|
| Ⅰ類 | 3.0%以下 | 磁器質に近い。外壁や床に使える |
| Ⅱ類 | 10.0%以下 | せっ器質に近い |
| Ⅲ類 | 50.0%以下 | 陶器質に近い。内壁に使う |
水を吸いやすいタイルは、寒い地域の外壁に使うと、吸った水が凍って割れることがあります(凍害)。外壁には吸水率の低いタイルを選びます。
まとめ
- 密着張りと改良圧着張りは、1回に塗るのを2㎡以内。密着張りは20分以内に張れる広さ
- 目地詰めは、張ってから24時間以上たってから
- 打診検査は全面。引張接着試験は0.4N/㎟以上で合格
06試験とのつながり
- 1級建築施工管理技士 一次検定:タイル工事
出典:公共建築工事標準仕様書(建築工事編)11章・15章、建築基準法 第12条。 数値は2026年10月時点で確認しています。