施工と安全 / 揚重・クレーン

クレーンの合図合図者の指名・合図の決め方・無線・運転を止める場面

公開 ・ セコカン君

運転者からは、吊り荷の下や陰は見えません。運転者の目の代わりになるのが合図です。合図を誰が出すか、どう決めるか、運転を止めるのはどんなときか。法令の基準と現場のやり方をまとめました。

01法令で決められていること

項目内容
合図を定める事業者は、クレーン・移動式クレーンの運転について、一定の合図を定める
合図者を指名する合図を行う人を指名して、その人に合図を行わせる(運転者が1人で作業するときを除く)
合図者の義務指名された人は、作業中、定めた合図を行う
作業員の義務作業に従事する人は、その合図に従う

合図者に必要な資格は、法令では決められていません。ただ、合図者は吊り荷の重さや吊り方を判断しながら合図を出すので、現場では玉掛けの技能講習を修了した人を指名するのが一般的です。

02作業の前に決めること

  1. 合図者を1人に決める合図を出すのは指名された1人だけ。複数の人が合図すると、運転者はどれに従えばよいかわからなくなる
  2. 合図の方法を決める手、笛、無線のどれを使うかを決める。手の合図は、講習で教わる標準の合図を使う
  3. 運転者とすり合わせる作業の前に、運転者と合図を一つずつ確かめる。現場だけの合図は作らない
  4. 合図者の位置を決める運転者から見えて、吊り荷も見える位置。吊り荷の下や進む方向、旋回範囲には立たない

03無線で合図するとき

  • 運転者から合図者が見えないとき(建物の陰、高い所への揚重など)は、無線を使う
  • 作業の前に、無線がつながるか、声が聞き取れるかを確かめる
  • 言葉は短く、決めた言い方で。「巻き上げ」「ゆっくり」「ストップ」など
  • 運転者は、合図が聞こえなくなったら、すぐに運転を止める
  • 同じ周波数を使う別の班がいないか確かめる。混信は事故のもと

04運転者が運転を止める場面

厚生労働省のクレーン運転の教材では、運転者は次のような場合、運転を中止するよう教えています。

  • 合図が不明確なとき、決められた方法でないとき
  • 2人以上が合図したとき
  • 指名された人以外が、合図や玉掛けをしたとき
  • 危険な吊り方だと感じたとき
  • 荷の重さが定格荷重を超えるおそれがあるとき

止めることをためらう必要はありません。止めて確かめれば、事故は起きません。

05よくある災害と対策

合図者が見えない位置から合図し、吊り荷が人に当たる

合図者が建物の陰にいて、運転者は合図の声だけで旋回し、荷の先にいた作業員に当たる。

対策運転者から見える位置に立つ。見えないときは無線を使い、吊り荷の進む先に人がいないか合図者が確かめる。

近くの人の手振りを合図と思って動かす

合図者でない人が手を振り、運転者がそれを巻き上げの合図と受け取る。

対策合図者を1人に決め、ヘルメットの表示やベストで運転者にわかるようにする。合図者以外の合図では動かさない。

まとめ

  • 事業者は合図を定め、合図者を指名する。合図を出すのは1人だけ
  • 合図の方法(手・笛・無線)は、作業の前に運転者とすり合わせる
  • 合図者は、運転者から見えて吊り荷も見える位置に立つ。見えなければ無線を使う
  • 合図が不明確なとき、2人以上が合図したときは、運転を止める

06試験とのつながり

出典:クレーン等安全規則 第25条・第71条、厚生労働省 クレーン運転の教材。 数値は2026年10月時点で確認しています。

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