施工と安全 / 型枠・コンクリート
墨出し・セパレーター・スペーサー・かぶり厚さとは型枠と鉄筋でよく使う用語の意味と基準
公開 ・ セコカン君
墨出し、セパレーター、スペーサー、かぶり厚さ。鉄筋コンクリートの躯体工事で毎日のように出てくる言葉です。それぞれの意味と、なぜ大事なのか、守る基準をまとめました。
01墨出し(すみだし)
図面に描かれた柱や壁の位置、高さを、床や壁に実際の線や印で書き出す作業です。型枠も鉄筋も設備も、この墨を基準に取り付けるので、墨がずれると全部がずれます。
| 墨の種類 | 意味 |
|---|---|
| 基準墨 | 建物の通り芯など、ほかの墨の元になる墨 |
| 逃げ墨 | 通り芯の上に柱や壁が来て墨が隠れるので、決まった寸法(たとえば1m)だけ離して打つ墨 |
| 陸墨(ろくずみ) | 高さの基準になる水平の墨。床の仕上がりの高さから、たとえば1m上に打つ |
| 地墨(じずみ) | 床に打つ墨 |
- 墨を打ったら、別の人が測り直して確かめる
- 上の階には、下の階の基準墨から下げ振りやレーザーで移す
- 消えないように、型枠や鉄筋で隠れる前に必要な墨を打つ
02セパレーター
壁や柱の型枠で、向かい合うせき板の間隔を一定に保つための金物です。コンクリートを打つと、型枠には外へ押し広げる力(側圧)がかかります。セパレーターとフォームタイ(締付け金物)で両側のせき板を引き合い、壁の厚さを保ちます。
| 部品 | 役割 |
|---|---|
| セパレーター | 型枠の内側に入る棒状の金物。壁の厚さを決める。コンクリートの中に残る |
| フォームタイ | 型枠の外側で、セパレーターの端を締め付ける金物 |
| Pコン | セパレーターの端に付ける円すい形の部品。型枠を外したあとに取り外し、穴をモルタルなどでふさぐ |
型枠と支保工の基準は型枠支保工のページにあります。
03スペーサー
鉄筋と型枠の間、鉄筋と地面の間にはさんで、鉄筋の位置を保ち、かぶり厚さを確保する部品です。スペーサーがないと、コンクリートを打つときに鉄筋が下がったり寄ったりして、かぶり厚さが足りなくなります。
| 使う場所 | 材質 |
|---|---|
| スラブ・梁の下 | 鋼製かコンクリート製を使う。鋼製は防錆処理をしたもの |
| 梁・柱・壁の側面 | プラスチック製も使える |
04かぶり厚さ
いちばん外側にある鉄筋(帯筋やあばら筋)の表面から、コンクリートの表面までの厚さです。かぶりが足りないと、鉄筋が早くさび、火事のときに鉄筋が熱で弱くなります。
建築基準法施行令の最小値
| 部分 | かぶり厚さ |
|---|---|
| 耐力壁以外の壁、床 | 2cm以上 |
| 耐力壁、柱、梁 | 3cm以上 |
| 直接土に接する壁・柱・床・梁、布基礎の立上り | 4cm以上 |
| 基礎(布基礎の立上りを除く) | 6cm以上(捨てコンクリートの部分を除く) |
実際の工事では、施工の誤差を見込んで、この最小値に10mmを足した「設計かぶり厚さ」で鉄筋を組むのが一般的です。くわしくは鉄筋の加工・組立てのページにあります。
まとめ
- 墨出しは、図面の位置や高さを床や壁に書き出す作業。基準墨・逃げ墨・陸墨がある
- セパレーターは型枠の間隔を保つ金物、スペーサーは鉄筋のかぶり厚さを保つ部品
- かぶり厚さの最小値は、床・耐力壁以外の壁2cm、柱・梁・耐力壁3cm、土に接する所4cm、基礎6cm
05試験とのつながり
出典:建築基準法施行令 第79条、公共建築工事標準仕様書(建築工事編)5章・6章、JASS 5 鉄筋コンクリート工事。 数値は2026年10月時点で確認しています。