施工と安全 / 鉄骨工事
鉄骨工事建方が終わった鉄骨の骨組み。柱・梁・ブレースが組まれている(写真:運営者撮影)
鉄骨の建方作業計画・仮ボルト・建入れ直し・精度
公開 ・ セコカン君
鉄骨工事柱を建て、梁をかけ、仮ボルトで留め、建入れを直して本締めへ。鉄骨の建方は、手順を一つ飛ばすと倒壊や墜落につながります。安全の基準と、精度の数値をまとめました。
01建方の流れ
- アンカーボルトとベースモルタルアンカーボルトの位置と高さを確かめ、柱の据付け面をベースモルタルで仕上げる
- 柱を建てる柱を吊り込み、アンカーボルトにナットを掛ける。倒れないように仮の支えをとる
- 梁をかけ、仮ボルトで留める梁を取り付け、仮ボルトで留める。ここで建物が自立できる状態にする
- 建入れ直し小区画ごとに、ワイヤロープとターンバックルで柱の倒れを直す
- 本締め建入れ直しが終わってから、高力ボルトを本締めする

02安全の基準
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作業主任者 | 高さ5m以上の金属製の骨組みの組立て・解体・変更には、建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者を選任する |
| 作業計画 | 高さ5m以上の鉄骨の組立てなどでは、あらかじめ作業計画(作業の方法と順序、墜落・飛来落下・倒壊の防止の方法など)を定め、作業員に知らせる |
| 立入禁止 | 作業を行う区域に、関係者以外を入れない |
| 悪天候 | 強風・大雨・大雪で危ないときは作業をしない。10分間の平均風速 10m/s以上 で建方を中止 |
| 材料の上げ下ろし | つり綱・つり袋などを使う |
| 墜落防止 | 親綱や安全ネットを先に設け、フルハーネスを使う |
03仮ボルトの本数
| 継手 | 仮ボルト |
|---|---|
| 高力ボルト継手 | 1群のボルト数の 1/3程度、かつ 2本以上 |
| 混用接合・併用継手 | 1群のボルト数の 1/2程度、かつ2本以上 |
| エレクションピース | 高力ボルトで全数締め |
仮ボルトは中ボルトなどを使い、強風や地震などで倒れないだけの本数を入れます。
04建入れ直しと精度
- 建入れ直しは、小区画ごとに、ワイヤロープとターンバックルで行う
- 倒壊防止用のワイヤロープは、建入れ直しに兼用してよい
- ターンバックル付きの筋かいで建入れ直しをしない(筋かいを傷める)
- 本締めは建入れ直しの後。混用接合は高力ボルトを先に締めてから溶接
| 項目 | 管理許容差 |
|---|---|
| 柱の倒れ | H/1,000以下、かつ10mm以下 |
| 柱据付け面の高さ | ±3mm |
05柱脚まわり
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 後詰め中心塗りの中心塗り部分 | 200mm角(または直径200mm)以上 |
| ベースモルタルの厚さ | 30mm以上50mm以内。3日以上養生 |
| アンカーボルト | 二重ナット。ナットの外にねじ山が3山以上 |
06よくある災害と対策
梁の上を移動していて落ちる
梁の上を歩いて次の柱へ移るとき、親綱を張っていない、フックを掛けていない。
対策建方の前に親綱を張る。移動は二丁掛けで。
仮ボルトが少なく、骨組みが倒れる
仮ボルトの本数が足りないまま強風を受け、建てた部分が倒れる。
対策仮ボルトは1/3程度かつ2本以上。倒壊防止のワイヤロープを張る。
吊り荷と柱の間にはさまれる
吊り込んだ梁が振れて、柱や先に建てた梁との間に手や体がはさまれる。
対策介錯ロープを使い、吊り荷に手を添えない。
まとめ
- 建方は、柱を建てる→梁をかけて仮ボルト→建入れ直し→本締めの順
- 高さ5m以上の鉄骨の組立てには作業主任者を選任し、作業計画を作る
- 仮ボルトは高力ボルト継手で1群の1/3程度かつ2本以上
- 10分間の平均風速10m/s以上で建方を中止。親綱を先に張り、二丁掛けで移動する
07試験とのつながり
出典:労働安全衛生規則 第517条の2〜第517条の5、労働安全衛生法施行令 第6条、公共建築工事標準仕様書(建築工事編)7章、JASS 6 鉄骨工事。 数値は2026年10月時点で確認しています。