施工と安全 / 仕上げ工事
塗装工事の安全有機溶剤中毒・火災・足場の上の作業・高圧洗浄
公開 ・ セコカン君
塗装工事の災害は、足場からの墜落だけではありません。塗料の溶剤による中毒、引火による火災、高圧洗浄のけがもあります。法令の基準と、作業前の確認をまとめました。
01有機溶剤中毒を防ぐ
油性の塗料やうすめ液(シンナー)には、有機溶剤が含まれています。吸い込むと、頭痛やめまい、ひどいと意識を失います。屋内や地下、タンクの中など、風が通りにくい場所の作業は、特に危険です。
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 換気 | 屋内などで有機溶剤を使うときは、局所排気装置や全体換気装置で換気する |
| 作業主任者 | 有機溶剤を使う屋内作業などでは、有機溶剤作業主任者(技能講習)を選び、作業を指揮させる |
| 保護具 | 換気が足りない場所では、防毒マスクや送気マスクを使う |
| 掲示 | 有機溶剤の区分、人体への影響、取扱いの注意を、見やすい所に掲示する |
| 健康診断 | 有機溶剤業務に常時従事する人は、6か月以内ごとに特殊健康診断を受ける |
屋外の外壁塗装でも、無風の日や、建物のくぼんだ所では溶剤がたまります。気分が悪くなったら、すぐに作業をやめて風通しの良い所に移ります。
02火災を防ぐ
- 塗料とシンナーの近くで、火気を使わない。たばこも吸わない
- 溶接や溶断の作業と、同じ場所・同じ時間に塗装をしない
- 塗料とシンナーは、ふたを閉めて、決めた場所に置く。置く量を必要な分にする
- 油性の塗料をふいたウエスは、まとめて置くと自然に発火することがある。水に浸すか、ふた付きの金属缶に入れる
03足場の上の作業
- 足場の上でも、手すりのない所ではフルハーネスのフックを掛ける
- 壁つなぎを外さない。塗るために外すときは、足場を組んだ会社と相談して、代わりの壁つなぎを付けてから外す
- メッシュシートは、強風の前にたたむか、結束を増やす
- 塗料の缶は、足場から落ちないように置く。足場の端に置かない
壁つなぎを勝手に外すと、足場が倒れる原因になります。壁つなぎの間隔などの基準は枠組足場のページにあります。
04高圧洗浄の安全
- 高圧の水は、手や足を切るほど強い。ノズルを人に向けない
- 足場の上では、水の反動で体を持っていかれないよう、足元を固める
- コンセントや電気の配線、分電盤に水をかけない。先に養生する
- 近所の車や洗濯物に水しぶきが飛ばないよう、声をかけ、シートで囲う
屋内の塗装で、溶剤のにおいが充満して倒れる
換気をしないまま、地下の部屋で油性の塗料を塗り、溶剤を吸い込んで意識を失う。
対策局所排気装置などで換気し、作業主任者が換気と保護具を確かめる。防毒マスクの吸収缶は、決められた時間で替える。
足場の壁つなぎを外して塗り、強風で足場が倒れる
壁つなぎの裏を塗るために外し、戻さないまま強風を受ける。
対策壁つなぎは勝手に外さない。外すときは、代わりを付けてから外し、塗り終わったらすぐ戻す。
まとめ
- 屋内などで有機溶剤を使うときは、換気・有機溶剤作業主任者・防毒マスク・掲示
- 塗料の近くで火気を使わない。油性塗料のウエスは自然発火することがある
- 足場の壁つなぎを勝手に外さない
05試験とのつながり
出典:有機溶剤中毒予防規則 第5条・第19条・第24条・第29条・第33条、労働安全衛生規則 第570条、消防法。 数値は2026年10月時点で確認しています。