施工と安全 / 屋根工事
屋根工事縦葺きの金属屋根(写真:写真AC)
金属屋根(板金)の施工立平葺き・横葺き・瓦棒葺きの違いと納め
公開 ・ セコカン君
屋根工事ガルバリウム鋼板などの金属板で葺く屋根は、軽くて緩い勾配にも使えます。縦葺き(立平・瓦棒)と横葺きの違い、下葺き、軒先から棟までの納めの基準をまとめました。
01葺き方の種類
| 葺き方 | 特徴 |
|---|---|
| 立平葺き(縦葺き) | 軒から棟まで1枚の板を通し、隣の板とハゼでつなぐ。継ぎ目が流れ方向にしかないので雨仕舞がよく、緩い勾配でも使える |
| 瓦棒葺き(縦葺き) | 板と板の間に棒状の部分(瓦棒)を立ててつなぐ。心木のあるものとないものがある |
| 横葺き(段葺き) | 軒と平行に、段状の板を下から重ねていく。見た目は瓦やスレートに近い。縦葺きより勾配が必要 |
02下地と下葺き
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 下葺きの材料 | アスファルトルーフィング940以上、または改質アスファルトルーフィング(ゴムアス) |
| 重ね | 流れ方向100mm以上、桁行方向200mm以上 |
| 棟・谷 | 棟は二重、谷は多重に敷く。中心から両側へ250mm以上 |
| 壁際 | 250mm以上立ち上げる |
| 野地板 | 吊子やビスを留める部分は、構造用合板 厚さ12mm以上などメーカーの指定による |
03立平葺きの納め(製品の例)
日鉄鋼板「エバールーフ たてひら」の設計・施工マニュアルを例にします。
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 適用勾配 | 5/100以上(0.5寸) |
| 吊子 | 間隔 606mm以下。ビスで下地に留める |
| 軒先 | 軒先唐草を300mm間隔で留める。本体は唐草の先から15mm出し、1つ目の吊子は先端から120mm以内 |
| ハゼの嵌合 | 端部から吊子側を斜めに押し込む。足で蹴り込まない。すき間があれば押し直して上ハゼを絞る |
| けらば | けらば唐草を300mm間隔で留める。けらば側の本体の幅は200mm以下になるよう割り付ける |
| 棟 | 本体の端の谷を立ち上げ、面戸を付けてシーリング。棟包みは300mm間隔で釘留め |
04横葺きの納め(製品の例)
アイジー工業「スーパーガルテクト」の施工要領を例にします。
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 適用勾配 | 2.5寸以上。3.5寸未満は横ジョイント部にジョイント下地が必要 |
| 垂木 | 45×60mm以上、間隔455mm以下 |
| 本体の留め付け | 垂木に455mm以下の間隔で留める。左から右へ葺く |
| 横ジョイント | 上下の段で重ならないよう、300mm以上ずらす |
| 棟包み | 重ね代150mm以上。捨てシーリングをする |
| 換気 | 軒裏の吸気孔 1/900以上、棟の排気孔 1/1,600以上 |
勾配、留め付けの間隔、役物は製品ごとに違います。施工はその製品の施工要領書に従います。
05施工中の安全
- 金属屋根は、濡れると非常に滑る。雨や露、霜のあとは乗らない
- 板の切り口は刃物と同じ。切断や運搬は手袋をして行う
- 長い板は風にあおられる。強風の日は荷揚げと仮置きをしない。仮置きした板は結束する
- 夏の金属屋根は高温になる。熱中症とやけどに注意する
屋根の上の墜落防止は、屋根上作業の墜落防止のページにまとめています。
まとめ
- 縦葺き(立平・瓦棒)は緩い勾配にも使える。横葺きは縦葺きより勾配が必要
- 下葺きの重ねは流れ方向100mm以上、桁行方向200mm以上
- 勾配・吊子やビスの間隔・役物は製品ごとに違う。施工要領書に従う
- 濡れた金属屋根はとても滑る。板の切り口と、風にあおられる長い板に注意する
06試験とのつながり
- 1級建築施工管理技士 一次検定:金属屋根(折板・瓦棒)
出典:住宅瑕疵担保責任保険 設計施工基準、日鉄鋼板「エバールーフ 設計・施工マニュアル」、アイジー工業「スーパーガルテクト 施工要領」。 数値は2026年10月時点で確認しています。