新規入場者教育とは誰がやるのか・教える内容・送り出し教育との違い
公開 ・ セコカン君
初めて現場に入る人は、その現場のルールも危ない場所も知りません。初日に行う新規入場者教育は、現場の災害を防ぐいちばん最初の関門です。誰がやるのか、何を教えるのか、送り出し教育との違いをまとめました。
01新規入場者教育とは
その現場で初めて働く人に、作業を始める前に行う教育です。現場ごとに、立入禁止の場所、避難の経路、作業のルールが違うので、ほかの現場で何年働いていても、新しい現場に入るたびに受けます。
建設現場では、入って間もない人の災害が多いことが知られています。国の「元方事業者による建設現場安全管理指針」でも、元請は、新しく入る作業者が受ける教育を行うなどして、現場の安全を確保するよう示されています。
02誰がやるのか
| 教育 | 誰が | いつ・何を |
|---|---|---|
| 送り出し教育 | 作業員を現場に送り出す会社(下請) | 現場に入る前に、その工事で行う作業や、会社として守ることを教える |
| 新規入場者教育 | 現場を管理する元請 | 現場に入った初日、作業の前に、その現場のルールと危ない場所を教える |
どちらか一方だけでは足りません。会社のことは会社が、現場のことは元請が教えます。
03教える内容
- 工事の概要と、今の工程
- 現場の配置:立入禁止の場所、通路、休憩所、トイレ、喫煙所
- 避難の経路と、地震・火災のときの集合場所
- 作業のルール:保護帽・フルハーネスなど保護具の使い方、上下作業の禁止、重機の近くに入らない
- その現場で特に危ない所(開口部、クレーンの作業範囲など)
- けがをしたとき、具合が悪くなったときの連絡先
- 朝礼・KY活動・片付けの決まった時間
04確認すること
- 持っている資格・技能講習・特別教育を、修了証の原本で確かめる
- 健康状態、血圧、持病など。高所の作業ができるか
- 緊急連絡先
- 年齢。18歳未満の人は就けない作業がある
確かめた内容は、新規入場者の調査票などの書類に残します。様式は元請ごとに決めていることが多いです。
05形だけにしないコツ
- 説明だけで終わらせず、危ない場所は実際に歩いて見せる
- 外国人の作業者には、図や写真、やさしい日本語、通訳を使う
- 最後に、大事なことを本人に言ってもらって、伝わったか確かめる
06よくある質問
1日だけの応援でも、受ける?
受けます。1日だけでも、その現場の危ない場所やルールを知らないまま作業に入ると、災害につながります。短い時間でも、立入禁止の場所、避難の経路、その日の作業の注意は伝えます。
何時間やる?
新規入場者教育の時間は、法令では決まっていません。現場の大きさや作業の内容に合わせて、元請が決めます。危ない場所は、説明だけでなく、実際に歩いて見せるのが確実です。
記録は残す?
残します。いつ、だれに、何を教えたかを記録し、新規入場者の調査票と一緒に保管します。災害が起きたときに、教育をしたかどうかを確かめる資料になります。
雇入れ時の教育とは違う?
違います。雇入れ時の教育は、会社が人を雇ったときに、会社として行う教育です(労働安全衛生法 第59条)。新規入場者教育は、その現場に初めて入る人に、元請がその現場のことを教えるものです。
まとめ
- 新規入場者教育は、現場に入った初日に元請が行う。送り出し教育は下請の会社が行う
- 現場の配置、避難経路、作業のルール、危ない場所、緊急時の連絡先を教える
- 資格は修了証の原本で、健康状態や緊急連絡先もあわせて確かめる
07試験とのつながり
- 1級建築施工管理技士 一次検定:労働安全衛生法(体制・教育・就業制限)・労働災害・公衆災害
出典:労働安全衛生法 第30条・第59条、厚生労働省「元方事業者による建設現場安全管理指針」。 数値は2026年10月時点で確認しています。