施工と安全 / 安全管理と資格
作業手順書とリスクアセスメント作業手順書の作り方・リスクアセスメントの進め方・例
公開 ・ セコカン君
同じ作業でも、人によってやり方が違うと、どこかで事故が起きます。作業の順番と急所をそろえるのが作業手順書、その作業の危険を前もって洗い出すのがリスクアセスメントです。作り方と進め方を、例と一緒にまとめました。
01作業手順書とは
ひとつの作業を、主な手順に分けて順番に並べ、それぞれの手順の急所(安全・品質・やりやすさのために守るポイント)を書いたものです。新しく入った人でも、ベテランと同じやり方で作業できるようにします。
02作業手順書の作り方
- 作業を決める「足場の組立て」「資材の荷揚げ」など、ひとまとまりの作業を1つ選ぶ
- 手順に分ける作業を、始めから終わりまで、5〜10くらいの主な手順に分ける
- 急所を書く手順ごとに、「こうしないとけがをする・品質が落ちる」というポイントを書く
- 危険と対策を書く手順ごとに、起こりうる災害と、その防ぎ方を書く
- みんなで確かめる実際に作業する人と読み合わせ、現場のやり方とずれていないか確かめる
- 見直すヒヤリハットや災害があったら、すぐに書き直す
03作業手順書の例(資材の荷揚げ・一部)
| 手順 | 急所 | 危険と対策 |
|---|---|---|
| 荷の重さを確かめる | 表示がなければ見積もる | 過荷重でクレーンが倒れる → 作業半径の定格荷重以内か確かめる |
| 玉掛け | 重心の真上にフック。吊り角度60°以内 | 荷が傾いて落ちる → 地切りで止めて確かめる |
| 吊り上げ・移動 | 介錯ロープで振れを抑える | 荷に当たる・はさまれる → 荷の下と進む方向に入らない |
| 荷を受ける | まくら材の上に下ろす | 荷受け台から落ちる → フルハーネスのフックを掛ける |
04リスクアセスメントとは
作業や設備にひそむ危険を、災害が起きる前に洗い出し、どれだけ危ないかを見積もって、危ないものから順に対策をとる進め方です。労働安全衛生法で、事業者が行うよう努めることとされています。
05リスクアセスメントの進め方
- 危険を見つける作業手順ごとに、「〜なので、〜して、〜になる」と、起こりうる災害を出す
- リスクを見積もるけがの重さと、起こる可能性を組み合わせて、危なさの大きさを決める
- 優先順位を決める危なさの大きいものから対策する
- 対策を決める危ない作業そのものをなくす → 設備で防ぐ(手すり、カバーなど)→ 管理で防ぐ(手順、教育、立入禁止)→ 保護具、の順に考える
- 記録して続けるやったことを記録し、作業や現場が変わったら見直す
保護具は最後の手段です。「フルハーネスを使う」の前に、「手すりを付けて、落ちない作業床にできないか」を先に考えます。
06KY活動との違い
| いつ | 誰が | 中身 | |
|---|---|---|---|
| リスクアセスメント | 作業の前に、計画の段階で | 会社や現場の職員が中心 | 作業そのものや設備を変える対策まで考える |
| KY活動 | その日の作業の前に | 作業する班のみんなで | その日の行動目標を決める |
KY活動のやり方は、KY活動とTBMのページにまとめています。
まとめ
- 作業手順書は、作業を手順に分け、手順ごとの急所と危険・対策を書く
- リスクアセスメントは、危険を見つけ、見積もり、危ないものから対策する
- 対策は、作業をなくす → 設備 → 管理 → 保護具の順に考える
07試験とのつながり
出典:労働安全衛生法 第28条の2、厚生労働省「危険性又は有害性等の調査等に関する指針」。 数値は2026年10月時点で確認しています。